第一種換気の“落とし穴”?選び方と設計の注意点
2025/08/11
家づくりで「第一種換気」という言葉を聞くと、「一番性能が良い換気方式」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
第一種換気とは、給気も排気も機械でコントロールする方法のこと。計画的に空気を入れ替えられるため、第三種換気(給気口から自然に空気を入れ、排気だけを機械で行う方式)よりも温度や湿度のコントロールがしやすく、冬でも室温の低下を抑えられるのが大きなメリットです。
しかし、「第一種=万能」というわけではありません。
実は設計や選び方を間違えると、せっかくの性能を十分に活かせないどころか、かえって室内環境が悪化することもあります。今回はその“落とし穴”と、失敗しないためのポイントを解説します。
落とし穴1:設置しただけで安心してしまう
第一種換気は、ダクトや機器の配置によって性能が大きく左右されます。
たとえば、給気口や排気口の位置が偏っていると、空気の流れが滞り、家全体を均一に換気できません。
また、ダクトの長さや曲がり具合によっても風量が低下し、設計通りの換気量が確保できない場合があります。
対策
・設計段階で風量計算を行い、各部屋の必要換気量を確認する
・ダクトの長さはできる限り短く、曲がりも少なく設計する
・完成後に必ず実測して性能を確認する
落とし穴2:フィルターのメンテナンス不足
第一種換気の多くは高性能フィルターを搭載していますが、メンテナンスを怠ると目詰まりを起こし、給気量が減ってしまいます。これにより室内が負圧になり、外壁の隙間から花粉やホコリが侵入することもあります。
対策
・フィルターの清掃・交換時期を事前に確認する
・掃除しやすい位置に機器を設置する
・家族の中でメンテナンス担当を決めて習慣化する
落とし穴3:湿度コントロールが不十分
冬の乾燥や夏の湿気対策には、熱交換と同時に湿度も交換できる全熱交換型がおすすめです。しかし、全熱交換型でも設計や機種によって湿度保持の性能は異なります。また、湿気を戻すことでカビや菌が広がるのでは?と心配される方もいます。
対策
・機種の「湿度交換効率」を確認する
・施工会社に衛生管理の方法(フィルターや熱交換素子の清掃方法)を確認する
・高断熱・高気密の家と組み合わせることで、湿度変動を最小限に
落とし穴4:高気密でなければ効果が半減
第一種換気は「計画換気」が前提です。家に隙間が多いと、せっかく機械で給排気しても空気が思わぬルートから出入りしてしまい、性能を活かせません。
平成期の一般住宅ではC値(隙間相当面積)が5.0前後のものも珍しくなく、その場合、第一種換気を導入しても計画通りの換気ができない可能性があります。
対策
・C値1.0以下、理想は0.5以下を目指す
・工事中の気密測定を行い、必要に応じて気密処理を追加する
落とし穴5:電気代やランニングコストの見落とし
第一種換気は常時運転するため、ファンやモーターの電気代が発生します。
最新の省エネ型なら1日あたり10〜20円程度で済みますが、古い機種や設計不良だとその倍以上かかることも。また、フィルター交換や部品交換の費用も考慮する必要があります。
対策
・消費電力(W)と年間運転時間からランニングコストを試算する
・メンテナンス部品の価格と交換頻度を確認する
・安い初期費用よりも、長期的な総コストで比較する
第一種換気を活かすためのまとめ
第一種換気は、設計・施工・メンテナンスの3つが揃ってこそ、本来の性能を発揮します。
とくに高気密高断熱の家と組み合わせることで、室温や湿度を安定させながら快適な空気環境を保つことが可能です。逆に、この条件が整わないと「思ったほど効果がない」と感じる原因になります。
キノエデザインOSAKAでは、C値0.25という高気密性能の住宅に、24時間全熱交換型換気システム sumikaを採用。
家全体の空気をコントロールし、温度・湿度・空気の質をバランスよく保ちます。さらに、メンテナンス性や衛生面にも配慮した設計で、長く快適に暮らせる家づくりを行っています。






